自由研究で節電の効果を調べるには、節電する前と後で使った電力量を測り、同じ条件で比べます。「電気を消した時間」だけでなく、電力量をワット時(Wh)やキロワット時(kWh)で記録すると、どれだけ減ったかを数字で示せます。照明や家電を使う時間、明るさ、室温などの条件をそろえることが大切です。
節電の効果を調べる基本の方法
調べる方法は、次のように「節電前」と「節電後」を比べる方法が分かりやすいです。
| 期間 | すること | 記録すること |
|---|---|---|
| 節電前 | いつもどおりに電気を使う | 使用時間、電力量、部屋の条件 |
| 節電後 | 決めた方法で節電する | 使用時間、電力量、部屋の条件 |
例えば、「照明を使う時間を1日30分短くする」「使っていない部屋の照明を消す」「テレビを見ない時間は主電源を切る」など、最初に一つの節電方法を決めます。複数の方法を同時に変えると、どの方法の効果か分かりにくくなります。
自由研究で使える調べ方は3種類
1. 電力量計で家電を測る
コンセントと家電の間に取り付けて、消費電力や電力量を測る機器を使う方法です。家電ごとの効果を調べたいときに向いています。
例えば、照明を1時間使ったときの電力量と、使用時間を30分にしたときの電力量を比べます。機器の表示が「W」なら瞬間的な消費電力、「Wh」や「kWh」なら一定時間に使った電力量を表します。
2. 電気メーターの数値を記録する
家全体の節電効果を調べるときは、電気メーターの数値を毎日同じ時刻に記録します。ただし、家族が使う家電や天気、在宅時間も変わるため、特定の家電だけの効果を正確に分けるのは難しくなります。
「節電前の3日間」と「節電後の3日間」のように期間を決め、冷暖房の使用時間や家にいた人数も一緒に記録すると、結果を考察しやすくなります。
3. 家電の消費電力と使用時間から計算する
家電に表示された消費電力と、使った時間を使って、おおよその電力量を計算する方法です。実際に電力量を測る機器がない場合でも実施できます。
計算式は次のとおりです。
電力量(Wh)=消費電力(W)×使用時間(時間)
例えば、消費電力が60Wの照明を1日2時間使った場合は、次のように計算します。
60W×2時間=120Wh
節電して使用時間を1時間にすると、60Whになります。節電によって減った電力量は、次の式で求められます。
節電できた電力量=節電前の電力量−節電後の電力量
実験の手順
調べる家電と節電方法を一つ決めてから、次の順番で実験します。
- 調べる家電を決める。照明、扇風機、テレビなど、家庭で安全に扱えるものを選びます。
- 節電方法を一つ決める。例えば「照明の使用時間を短くする」と決めます。
- 調べる条件をそろえる。同じ家電、同じ明るさ、同じ使用時間の測定方法にします。
- 節電前の記録を取る。最低でも数日間、使用時間や電力量を記録します。
- 決めた節電方法を実行する。節電後も、できるだけ同じ時刻や条件で測ります。
- 節電後の記録を取る。節電前と同じ項目を記録します。
- 電力量の差を計算する。節電前から節電後を引き、減った量を求めます。
- 結果をグラフにする。節電前と節電後の電力量を棒グラフにすると、違いが見やすくなります。
- 条件の違いを確認して考察する。天気、在宅時間、家族の人数などが違わなかったかを振り返ります。
記録表には何を書けばよい?
日付だけでなく、結果に影響しそうな条件も記録します。次のような表を作ると整理しやすくなります。
| 日付 | 節電前・後 | 使用時間 | 電力量 | 天気や気温 | 気づいたこと |
|---|---|---|---|---|---|
| 1日目 | 節電前 | 2時間 | 測定値を記入 | 晴れ | 家族が在宅 |
| 2日目 | 節電後 | 1時間 | 測定値を記入 | 晴れ | 同じ照明を使用 |
「測定値を記入」としている部分には、実際に測った数値を書きます。実験をしていない結果を予想で埋めてはいけません。
節電効果の計算方法
減った電力量を求める
節電前が1日120Wh、節電後が1日60Whだった場合、計算は次のとおりです。
120Wh−60Wh=60Wh
この場合、1日に60Whの電力量が減ったことになります。10日間同じ結果だったと仮定する計算例では、次のようになります。
60Wh×10日=600Wh
これは計算例であり、実際の効果は家電の種類や使用時間によって変わります。
減少率を求める
節電前と比べて何パーセント減ったかを調べるには、次の式を使います。
減少率(%)=(節電前の電力量−節電後の電力量)÷節電前の電力量×100
節電前が120Wh、節電後が60Whの場合は、次のようになります。
(120−60)÷120×100=50%
この計算例では、節電後の電力量が節電前より50%減っています。
電気料金の差を計算する場合
電気料金まで調べる場合は、電力会社の契約や料金プランによって単価が異なるため、実際の請求書や契約内容に記載された単価を使います。単価が分からない場合は、電力量の比較までにしても自由研究として成立します。
計算する場合は、次の式を使います。
電気料金の差=減った電力量(kWh)×1kWhあたりの単価
WhをkWhに直すときは、1,000で割ります。例えば600Whは0.6kWhです。単価が分からないまま、電気料金を確定させないようにしましょう。
実験の条件をそろえるポイント
節電前と節電後で条件が違うと、節電以外の原因で結果が変わることがあります。次の点をできるだけそろえます。
- 測定する時間帯
- 家電の種類と設定
- 家電を使う時間
- 部屋にいる人数
- 天気や気温
- 休日か平日か
例えば冷房の効果を調べる場合、外気温が大きく違う日を比べると、設定温度や使用時間以外の影響を受けます。照明の効果を調べる場合は、同じ明るさの部屋で同じ時間だけ測ると比較しやすくなります。
自由研究のまとめ方
レポートは、次の順番でまとめると、調べた内容が伝わりやすくなります。
- 研究の目的:何の節電効果を調べるのかを書く。
- 予想:節電すると電力量がどのように変わると思ったかを書く。
- 方法:使った家電、節電方法、測定期間、測定方法を書く。
- 結果:記録表やグラフで数値を示す。
- 計算:減った電力量や減少率を求める。
- 考察:なぜその結果になったのか、条件の違いがなかったかを考える。
- 結論:どの節電方法で、どれくらい電力量が変わったかを書く。
考察では、「電力量が減った」だけで終わらせず、「使用時間を短くしたため、電力量も減ったと考えられる」のように、記録した結果と理由を結びつけます。結果が予想と違った場合も、失敗ではありません。測定条件や家電の使い方を振り返ることで、研究の材料になります。
測定するときの注意点
コンセントや電気メーターを分解したり、配線を外したりしてはいけません。電力量を測る機器を使う場合は、家庭用として販売されているものを、説明書どおりに使用し、大人と一緒に確認してください。
冷蔵庫や医療機器など、電源を切ると困るものは実験対象にしないでください。テレビやパソコンも、電源を切る前に保存が必要なデータがないか確認します。
自由研究で節電の効果を調べるときは、節電前と節電後の条件をそろえ、電力量を記録して差を計算することがポイントです。まずは、調べる家電と節電方法を一つ決め、使用時間と電力量の記録から始めましょう。







