小学生の自由研究で家族に聞き取りをするときは、テーマを決め、質問を準備し、聞いた内容を記録して比べると、まとまりのある研究になります。家族の思い出を聞くだけで終わらせず、答えを表やグラフに整理し、自分の考えを加えることが大切です。
家族への聞き取りに向いている自由研究のテーマ
家族に聞き取りをするなら、世代や経験によって答えが変わりそうなテーマを選ぶと、比べやすくなります。
- 子どものころに好きだった遊び
- 昔と今の学校生活の違い
- 家族が小学生のころに使っていた道具
- 地域のお祭りや行事の変化
- 家族の好きな食べ物と、その理由
- 家族が続けている習慣
- 昔の夏休みの過ごし方
- 家族が知っている昔の言葉や方言
「お母さんの話を聞く」のように対象だけで決めるよりも、「家族が小学生のころの遊びを比べる」のように、何を比べる研究なのかをはっきりさせるとまとめやすくなります。
聞き取りを始める前に決めること
先にテーマ、聞く相手、質問する内容、記録方法を決めておくと、聞き忘れや記録漏れを防げます。
1. 研究のテーマを一文で書く
まず、「何を知りたいのか」を一文にします。たとえば、次のように書きます。
- 家族が小学生のころの遊びは、今の遊びとどう違うのか
- 家族が子どものころによく食べていた料理には、どんな共通点があるのか
- 昔と今の学校生活には、どのような違いがあるのか
テーマが広すぎると質問も答えも散らばります。「昔のこと」ではなく、「小学生のころの遊び」など、時期や内容を絞るのがポイントです。
2. 誰に聞くかを決める
できれば、年齢や経験が異なる家族に聞きます。たとえば、祖父母、保護者、きょうだいの3人に同じ質問をすると、世代による違いを比べられます。
人数が少なくても問題ありません。ただし、1人の答えだけから「家族全員がそうだった」とは決めつけず、「今回聞いた人の答えでは」と書くようにします。
3. 質問を5~10個ほど考える
全員に同じ質問をすると、答えを表に整理しやすくなります。質問は「はい・いいえ」で終わるものだけでなく、理由や具体例を聞く質問も入れます。
たとえば「小学生のころ、どんな遊びをしましたか」だけでなく、「どこで遊びましたか」「誰と遊びましたか」「今の遊びと違うところは何ですか」と尋ねます。
聞き取りで使える質問の例
テーマに合わせて、次の質問から必要なものを選びます。すべてをそのまま使う必要はありません。
| 聞く内容 | 質問の例 |
|---|---|
| 基本情報 | 小学生のころ、どの地域で暮らしていましたか。 |
| 経験 | そのころ、どんなことをしていましたか。 |
| 場所 | どこで行っていましたか。 |
| 相手 | 誰と一緒に行っていましたか。 |
| 頻度 | どのくらいの回数、またはどのくらいの期間していましたか。 |
| 理由 | なぜ好きだったのですか。 |
| 変化 | 今と違うところは何ですか。 |
| 印象に残ったこと | 特に覚えている出来事はありますか。 |
聞き取りの途中で「それはいつごろですか」「もう少し詳しく教えてください」と追加で質問すると、具体的な話が出やすくなります。ただし、答えたくないことを無理に聞いてはいけません。
家族に聞き取りをする手順
聞き取りは、次の順番で進めるとスムーズです。
- テーマと質問を書いた紙を用意する。質問の横に、答えを書くための空らんも作ります。
- 聞く相手に、自由研究で使うことを伝える。どんなテーマで、何を記録するのかを説明します。
- 答えてもらってよいか確認する。写真や録音を使う場合は、使ってよいかを先に尋ねます。
- 質問を読み、答えをメモする。話の内容を短くまとめながら書きます。聞き取れない部分は想像で補いません。
- 気になった点を追加で聞く。「いつ」「どこで」「なぜ」などを使って、具体的な内容を尋ねます。
- 聞き取りが終わったら、内容を読み返す。名前、年代、場所などの書き間違いがないか確認します。
録音すると正確に振り返れますが、必ず事前に許可を取りましょう。録音できない場合は、重要な言葉をメモし、終わった直後に内容を整理します。
聞き取りの記録を整理する方法
聞き取りの結果は、同じ項目をそろえた表にすると違いが見つかります。
| 聞いた人 | 小学生のころの遊び | 遊んだ場所 | 一緒に遊んだ人 | 今との違い |
|---|---|---|---|---|
| 祖父 | 記録した答え | 記録した答え | 記録した答え | 記録した答え |
| 母 | 記録した答え | 記録した答え | 記録した答え | 記録した答え |
| 自分 | 記録した答え | 記録した答え | 記録した答え | 記録した答え |
同じ答えがいくつあったか、年代によって答えがどう変わったかを数えると、棒グラフや円グラフにもできます。ただし、聞いた人数が少ない場合は、家族全体や社会全体の傾向ではなく、今回調べた家族の結果として表します。
自由研究のまとめ方
自由研究は、次の順番で書くと内容が伝わりやすくなります。
- 研究のきっかけ:なぜこのテーマを調べようと思ったのかを書く。
- 調べたいこと:何を明らかにしたいのかを書く。
- 調べ方:誰に、いつ、どのような質問をしたのかを書く。
- 結果:聞き取った答えを表やグラフ、短い引用で示す。
- 分かったこと:共通点や違いを書く。
- 考えたこと:なぜその違いが出たのか、自分の考えを書く。
- 感想と今後の疑問:調べて驚いたことや、さらに調べたいことを書く。
たとえば、「祖父と母は外で遊んだと答えた。自分は家で遊ぶことが多い。この違いには、遊び道具や過ごす場所の変化が関係しているのではないかと考えた」のように、結果と自分の考えを分けて書きます。
聞き取りで気をつけること
家族への聞き取りでも、相手の気持ちや個人情報に配慮する必要があります。
- 聞き取りを始める前に、自由研究で使うことを説明する
- 録音、写真、名前の掲載は、それぞれ許可を取る
- 答えたくない質問には、答えなくてもよいと伝える
- 住所、電話番号、病気、家族の収入など、必要のない個人情報は書かない
- 話した内容を自分の都合で変えず、聞いたことと考えたことを分ける
- 本やインターネットの情報を使った場合は、資料名や見たページを記録する
名前を出したくない人がいる場合は、「祖父」「母」「Aさん」のように書き換えられます。写真を使うときも、顔を出してよいかを確認してから掲載します。
うまく聞き取れないときの工夫
話が長くなったり、答えが短かったりする場合は、質問を一つずつ聞きます。「昔はどうだった?」ではなく、「小学生のころ、休み時間には何をしていた?」のように、時期と場面を具体的にすると答えやすくなります。
また、聞き取りを一度で終わらせず、メモを見ながら「この部分をもう少し教えて」と聞き直してもかまいません。聞き取れなかった内容を想像で埋めず、分からない場合は「不明」と記録します。
家族への聞き取りは、質問して終わりではありません。同じ質問をして答えを比べ、そこから分かったことと自分の考えを整理すると、自由研究として完成度が高まります。







