お金をかけない自由研究は、家にある道具や身近な場所を使えばできます。特別な実験キットを買わなくても、観察・比較・調査・記録を組み合わせると、十分に研究らしい内容になります。
大切なのは、テーマの珍しさではなく、「なぜだろう」という疑問を決め、予想を立て、同じ条件で調べ、結果から考えることです。
お金をかけない自由研究のテーマ
まずは、家にあるものや、毎日見ているものを研究対象にすると、費用を抑えられます。
1. 氷がとける速さを比べる
同じ大きさの氷を皿などに置き、置く場所によってとける速さが変わるかを調べます。冷房のある部屋、窓の近く、日なた、日陰などを比べられます。
- 使うもの:氷、皿、時計、紙、鉛筆
- 調べること:氷がとけ始めるまでの時間、完全にとけるまでの時間
- 注意点:日なたで実験するときは、暑さややけどに注意する
場所ごとに氷の大きさや皿を変えないことが、比べるときのポイントです。
2. 家の中でほこりがたまりやすい場所を調べる
家の中の複数の場所を選び、同じ時間を置いたあと、どこにほこりがたまりやすいかを観察します。床、棚の上、テレビの近く、部屋の隅などを比べられます。
- 使うもの:白い紙やティッシュペーパー、テープ、定規、紙、鉛筆
- 調べること:ほこりの量、場所の特徴、人が通る回数など
- 記録方法:ほこりの量を「少ない・普通・多い」の3段階で記録する
ほこりを集める場合は、家の人に確認してから行い、終わったら手を洗いましょう。
3. 野菜や果物の種を観察する
食事で出たピーマン、トマト、すいか、りんごなどの種を観察します。種の形や大きさ、数を比べるだけでも研究になります。
- 使うもの:食事で出た種、紙、鉛筆、定規、虫眼鏡があれば虫眼鏡
- 調べること:種の数、色、形、大きさ、並び方
- 発展例:同じ種類の野菜でも、種の数に違いがあるか調べる
食べ物を無駄にしないため、食事のときに出たものを使うとよいでしょう。
4. 身近な音の大きさや聞こえ方を比べる
家の中や外で聞こえる音を時間帯ごとに記録します。朝、昼、夕方などに分けて、どんな音が聞こえたか、音の大きさを比べます。
- 使うもの:紙、鉛筆、時計
- 調べること:聞こえた音の種類、音が聞こえた回数、音の大きさ
- 記録例:「小さい・普通・大きい」の3段階で評価する
音を出して調べるのではなく、普段の音を観察する方法なら、周りの人の迷惑にもなりにくいです。道路や駅の近くで調べるときは、安全な場所から行ってください。
5. 家族の利き手や使いやすい道具を調べる
家族に協力してもらい、箸、歯ブラシ、はさみ、ボールを持つ手などを調べます。利き手が同じでも、道具によって使いやすい手が変わるかを比べられます。
- 使うもの:紙、鉛筆
- 調べること:使いやすい手、道具ごとの違い、年齢や左利き・右利きとの関係
- 注意点:名前を出したくない人の情報は記録しない
人数が少ない場合は、「家族ではこうだった」と範囲を限定してまとめます。少人数の結果から、すべての人に当てはまるとは言えません。
6. 家にある紙の折り方と強さを比べる
同じ大きさの紙を、折らない状態、山折り、じゃばら折り、筒状などにして、どの形が重さに強いかを調べます。
- 使うもの:不要な紙、同じ重さの本や消しゴム、定規
- 調べること:紙がつぶれるまでに乗せられた物の数や重さ
- 注意点:紙の大きさや材質、置き方をそろえる
本などを高く積むと倒れることがあるため、低い位置で行い、周囲に壊れやすい物を置かないようにします。
7. 家の中の植物の葉を観察する
庭や公園、家で育てている植物の葉を観察し、形や色、大きさ、葉脈の見え方を比べます。
- 使うもの:紙、鉛筆、定規、スマートフォンやカメラがあれば写真
- 調べること:葉の形、葉の大きさ、表面の違い、日なたと日陰の違い
- 注意点:私有地の植物を勝手に取らず、毒の可能性がある植物には触れない
葉を取らずに、見たままをスケッチする方法なら、植物を傷つけずに調べられます。
自由研究を進める基本の順番
テーマが決まったら、次の順番で進めると、調べたことをまとめやすくなります。
- 疑問を決める。「どの場所で氷が早くとけるのか」「どの紙の形が強いのか」のように、比べられる質問にします。
- 予想を書く。調べる前に、どの結果になりそうかと、その理由を書きます。
- 調べる条件をそろえる。比べる物の大きさ、時間、置き場所、回数などをできるだけ同じにします。
- 結果を記録する。数字、表、絵、写真などを使い、調べた直後に記録します。
- 結果を比べる。一番多かったもの、早かったもの、違いがなかったものを確認します。
- 予想と比べる。予想が当たったか、外れたかを書きます。外れても失敗ではなく、研究の大切な結果です。
- 分かったことと疑問を書く。結果から分かったことと、さらに調べてみたいことをまとめます。
記録に使える自由研究のまとめ方
次の項目を順番に書くと、研究の流れが伝わります。
- 研究の題名
- このテーマを選んだ理由
- 調べたいこと
- 調べる前の予想
- 使ったもの
- 調べた方法
- 結果の表やグラフ
- 結果から分かったこと
- 予想と同じだった点、違った点
- 調べてみて新しく出てきた疑問
たとえば氷の実験なら、横に「置いた場所」、縦に「とけるまでの時間」を書いた表を作ります。複数回調べた場合は、1回目、2回目の結果も残すと、結果の違いが分かります。
お金をかけずに研究の質を高めるポイント
一度だけでなく、同じ調査を複数回行うと、偶然の結果かどうかを考えやすくなります。時間や天気が関係するテーマでは、調べた日や時刻も記録しましょう。
また、「暑い場所」「強い紙」のような感覚だけで終わらせず、温度、時間、乗せた物の数など、できるだけ数字に置き換えると比較しやすくなります。
インターネットや本で調べた内容を使う場合は、調べた資料の名前やURLを記録します。ただし、調べた説明を書くだけでなく、自分で観察・比較した結果を中心にまとめることが大切です。
安全に行うための注意点
お金をかけない研究でも、火、熱湯、刃物、薬品、高い場所、自動車や道路を使う実験は避けるか、必ず大人と一緒に行います。食べ物ではない物を口に入れたり、植物や虫に不用意に触れたりしないでください。
家族や近所の人を調べるときは、目的を説明して協力を得ます。写真や名前を発表に使う場合も、本人の許可を取ってから掲載しましょう。
迷ったときのテーマの選び方
何を調べるか決まらないときは、次の3つの質問から選ぶと考えやすくなります。
- 毎日見ていて、「なぜだろう」と思うことは何か
- 家にある物だけで比べられることは何か
- 同じ条件で、数字や表にして記録できることは何か
「家にある物」「身近な場所」「自分で続けて記録できること」の3条件を満たすテーマなら、費用をかけずに進めやすくなります。まずは疑問を1つに絞り、予想・調査・記録・考察の順番でまとめてみましょう。







